- 「ネイルサロンを開業したい」
- 「でも、失敗するのが怖い」
- 「どうすれば成功するのだろう」
ネイルサロンの開業を目指してワクワクする反面、「失敗したらどうしよう」という不安もどこかにあると思います。
漠然と『失敗』といっても内容はさまざま。
良い失敗もあれば、悪い失敗もあります。
- 閉店につながるような『大きな失敗』は避けつつ
- 前に進んでいくための『小さな失敗』を恐れずに行動し続けること
これからネイルサロンを開業するのであれば、これらのことが重要になってきます。
- 『失敗』に対する考え方
- サロン開業に失敗しないために学ぶべき5つのスキル
- サロン開業に失敗しないために捨てるべき4つのもの
失敗しないため、成功させるためにとても大切なことですが、ネイリストとしての視座では気づきにくいことかもしれません。
サロン開業を目指す方の指標となれば幸いです。
ネイルサロン開業、何が『失敗』?
この記事では『致命的な失敗』として次のように定義します。
致命的な失敗 = 実力不足・判断ミスによる閉店・廃業
自分ではどうすることもできない廃業や、次に進むための閉店もあります。
一概に『閉店=失敗』とはいえません。
- 法規制が変わったり
- 国の経済状況が著しく低下したり
- 商圏の人の流れに大きな変化があったり
- 家族など周囲の環境により続けられなくなったり
- ケガしたり病気になったり
- 別の事業にステップアップしたり
すべての失敗を回避しようと思ったら何も行動できません。『失敗』をひとくくりにしない理解が必要です。
小さな失敗は学びや前進につながるので恐れる必要はありません。避けるべきは経営をおびやかすことになる『致命的な失敗』です。
致命的な失敗を避けるために
- 失敗しないために学び続けたいスキル
- 失敗しないために捨てるもの
を後ほど解説します。
『小さな失敗』を怖がらず試行錯誤し続けることが重要で、『致命的な失敗』を避けるために全問正解はいりません。
最初から完璧を求めない
最初からノーミスクリアを目指す人が多すぎ問題。
新規参入者が完璧を達成できるほど、世の中甘くありません。
チャレンジしてはじめて見える景色ばかりです。
重要なのは
考える→行動する→振り返る→改善する
を繰り返し続けること。いわゆるPDCAです。
どんなゲームでもコンティニューしながらクリアを目指しませんか?
マリオでも、スマブラでも、ポケモンでも、、
最初から攻略本買って、ネット漁って、一度もミスらず、負けず・・・
なんて求めませんよね?
ミスしたところ、負けたところを『どうやったら次はできるか』考えながら、進んでいきませんか?
事業も一緒。
仮説を持って、ひとつひとつの企画や施策に取り組み、上手くいったら『何が良かったのか』、失敗したら『何が悪かったのか』考えて、次はさらに上手くいくよう改善につなげていくのが定石。
ただし無謀なチャレンジは投機と一緒。カイジの世界のゲームです。
「0か100」どころか「-100か200」のギャンブルをしないよう、気をつけるべき点は後述します。
- 最初から完璧を求めない
- 小さな成功・失敗を繰り返しながら前に進んでいく
- そのためには常に学び続けることが最低条件
事項では『ネイルサロン開業』というアングルで見たときに学ぶべき4つのスキルについて解説していきます。
失敗しないために学び続けたい5つのスキル
ネイルサロンを運営していくには2つの視座を持つことが必須です。
- 経営者としての視座
- ネイリストとしての視座
それぞれに必要なスキルはもちろん異なります。
サロンが廃業に追い込まれてしまうケースでよくあるのは『経営者に必要なスキルの不足』です。
- 経営スキル
- 集客スキル
- コミュニケーションスキル
- 自己分析・自己管理スキル
- ネイルスキル
開業前はもちろん、開業後も『常に』学び続けるべきなのが、これらのスキルです。
①経営スキル
ネイルサロンを開業した時点であなたは経営者となり、経営スキルを求められます。
業界動向、顧客の趣向を見て経営戦略を考えることが重要。
具体的にはマーケティングと会計の能力。
これらの能力を学ぶことでいちネイリストだけではなく、いちオーナーとして力を発揮できるようになります。
マーケティング能力
内外部の環境を考慮に入れて、サロンコンセプトに沿った販売戦略を立てられれば、どんな状況になっても強い、息の長いサロンにすることができます。
場合によってはコンセプトの調整も必要になってくるかもしれません。
マーケティング書籍などを読んで学べることは多いですが、表面的な理解で終わってしまうことが多いのも事実。
感覚的につかみやすいのは『いつも見ている景色を別の角度で見てみる』という方法。
- なんでこの並びで陳列しているのだろう?
- この商品いいな、だけでなく、なんで欲しくなったのだろう?
- どこで利益を取っているのだろう?
- どんな導線で顧客へ課金を促しているのだろう?
- なんで感動したのだろう?
- どんな伏線を張っていたのだろう?
他業種の成功事例であっても本質をとらえれば、ネイルサロンに応用できるものも多くあります。
ユーザーとしての感想だけではなく、マーケターとしての視点を持っていろいろ見てみる習慣をつけると、日常すべてが学びの場となります。
会計能力
会計の能力といっても、複式簿記の付け方とか青色申告の方法、というわけではありません。
それはそれで超大事ですが、会計ソフトが優秀なので『学び続ける』必要はありません。
磨きたいのは『お金の流れを読む』能力。
- どれだけのお金を使って
- どれだけのお金を得て
- どれだけの利益が残るのか
まずはこれらを理解すること。肌感覚での把握の精度が上がればより良いです。
お金の流れを読めるようになると、必然的に数字に慣れていきます。
そうすることで集客チャネルごとの分析など、より具体的な改善ができるようになってきます。
○○円で△△の媒体に載せたら、○○人の新規客を集客できたから
- 新規顧客獲得単価がいくらで
- 平均リピート率がどれだけで
- 平均単価はどれだけだから
よって、××の媒体より費用対効果が高い
副次的効果ですが、会計スキルを磨くことで『数字に強くなる』『数字に慣れる』という、経営に必須の力が付きます。
②集客スキル
新規集客に走らないサロン運営が最強です。
最強なんですが、集客なしでこの状態にはなりません。
ひとつの集客チャネルを突き詰めるのももちろん良いですが、さまざまな集客方法とそれぞれの特徴を理解して、ひとつの集客方法に依存しないようになるのが好ましいです。
ネット集客はもちろん、リアル集客にもアンテナを張る
普段目にするネイル外の業種も含めた様々なセールスページ、SNSアカウント運用、リアル広告を気にするようにしてみましょう。
- どんな集客チャネルを使っているのか?
- どんな言葉・画像・動画・音楽で人を惹きつけているのか?
- 集客チャネルごとに使い分けしていないか?
- 見込みユーザーを『どうやって』『どこへ』送客しているのか?
『インスタを利用した集客方法』などググって調べるのも大事ですが、視野を広げた上で『意識して見てみる』だけで、多くの隠れたヒントを見つけられます。
その商品、なんで欲しいと思ったの?
『欲しい』『行きたい』『受けたい』ー あなたがそう思った商品、『なぜそう思ったか?』を考えてみましょう。
- どこに魅力を感じて
- 何でどのように発信されて
- どう響いたのか
を分析してみると、実践的な学びにつながります。何より面白い。
なんで欲しくなったのか?を考える
- どのようにメリットを感じさせているか?
- 『お得』と思わせるために、どんな表現をしているか?
- どの媒体で、どんな人たちから、どんな口コミを見て欲しくなったのか?
- その口コミを得るためにどんな戦略がなされているか?
- どんな写真、どんなキャッチコピーに魅力を感じたのか?
- 同類商品と比べて何が違うのか?
自分の心が動いた広告や商品はリアルな『集客の教科書』、どのように感動が揺さぶられたのかを言語化してみるクセをつけてみましょう。
③コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは経営者としても、ネイリストとしても重要な能力です。
会話の上手さや語彙の多さという『話の上達法といえば』を学ぶのも重要ですが、観察力や伝える力を磨く方がより実践で活きてきます。
人たらし力
ネイリスト、中でもプライベートサロンであればなおさら、人たらし力が試されます。
要するに、『周囲から愛される人』かどうか。
ネイルサロンの戦略において『リピート獲得』は最重要課題
対面サービスのネイルサロンにおいて、リピート客は『人』につくケースが多くあります。
「なぜこのサロンに行くのか?」の理由を『あなたがいるから』にできれば最強
ゴマすりの方法ではなく、シーンに応じて会話・話題をコントロールする展開力。
それぞれのお客様にとって『居心地の良い時間』にできれば、あなたのサロンに通う大きな理由ができます。
プレゼン力
ネイリスト、経営者、それぞれの視座で活用できる能力です。
- お客様へのデザイン提案
- 次回予約のクロージング
- 物販営業
- ビジネスパートナーへの価格・納期交渉
- 魅力をより正しく伝える訴求
人によって響くエッセンスは違うので、『どのように伝えると、どのように感じるか』という引き出しを増やしていきましょう。
④自己分析・自己管理スキル
まずは自己を分析する力。ここを磨くと、
- 自分やサロンに足りないこと
- 伸ばすべきこと
をより的確につかめます。ダイレクトに成長や進化のスピードが速まります。
主観も大事ですが、お客様から見てどうなのかを考えられないと独りよがりになってしまうので、自分やサロンを俯瞰して解析するクセをつけましょう。
また、個人サロンはあなた自身が唯一最大のリソース。
- 体調管理
- モチベーション管理
- タスク管理
- 時間管理
すべてにおいて自己管理スキルが試されます。
⑤ネイルスキル
いわずもがな、ネイルの技術も重要です。塗りの技術ももちろんですが、
- より長持ちさせるには?
- より爪を傷めないためには?
- 効率よく時短するには?
お客様の求める内容やトレンドを自分のサロンにあわせて消化して、技術向上に努めましょう。
リピートの理由にはなりにくいが、リピートしない理由になりやすい
特別なスキルや超高度な技術が必要なわけではありません。
抽象的ですが『悪くない』ことが大切。
『上手い』がリピートの第一理由にはなりにくいが、『下手』がリピートしない第一理由になりやすい
- 塗りが下手
- アートのバランスが悪い
- 持ちが悪い
- 施術が痛い
どれだけあなたが魅力的でも、雰囲気が良くても、技術が乏しいとお客様は離れていきます。
このサロンは「ネイリストが好き」「癒される」「気分が上がる」
しかも「上手い」「デザインセンスが良い」
こんなポジションを取ることができれば最強です。
失敗しないために捨てるもの4選
小さな失敗は恐れず、どんどん挑戦した方が成長します。
とはいえ、廃業につながるような、もっと言えば、その後の人生に悪い影響を与えるような失敗は避けるべき。
そんな致命的な失敗をしないために『4つの捨てるべきもの』について解説します。
①大きな初期費用、固定費
はじめてのサロン開業、夢を叶えるために理想のカタチを追い求めたい気持ちはわかります。
とはいえ、はじめてだからこそ『スモールスタート』が基本です。
- 大きな初期費用
- 大きな固定費
これら許容できないリスクを最初から取る必要はありません。融資なんて以ての外。
自己資金が少なくても工夫できることはいくらでもあります。
- サロンは自宅
- 集客はSNSとアメブロ
- ホームページも自分で作ってみる
- インテリアやサロン家具も「いくとこ」「いかないとこ」のメリハリをつける
理想があるとしても、成功にあわせてステップアップさせれば良いのです。
むやみな大振りは人生を狂わせます。目的を持った一振り一振りを何度も繰り返すことが大切なので、上手くいった収益の中からお金を使っていきましょう。
逆に言えば、初期費用・固定費を大きくかければ負ける可能性が高くなる、ということです。
コストをかけるな、という訳では決してありません。
許容範囲を超えたコストは『投資』ではなく『投機(ギャンブル)』
経験が乏しく、根拠のない回収計画は絶対に外れます。
大きな固定費も経営を苦しめます。
始めてもないのに『お金をかけないと成功できない』と思っているレイヤーは『お金をかけても成功できません』。
②ドリームキラー
直訳すると『夢を殺す人』。恐ろしいのは響きだけではありません。
ドリームキラーとは『あなたの夢や目標を邪魔したり阻害する人』。テスト勉強を邪魔してくる”アイツら”です。
- 失敗するから辞めときな
- あなたにはできない
- 今のままで良いじゃん
新しい事をするとき、足を引っ張ろうとする人間は結構いるもので、こういう人に限って
- ほらね
- だから言ったじゃん
- 運が良かっただけ
- あいつは変わっちゃった
うるせーよ(笑)です。自分では一切挑戦をせず、安全な場所から石を投げてるだけです。
もしもこういう人たちがいたら、しっかり距離を取りましょう。
適切なブレーキをかけてくれている場合もある
- いきなり融資前提で開業しようとしていたり
- 努力や計画性がまったく見えなかったり
- 家庭など取り巻く環境的にイマじゃなかったり
間違った方向へ突っ走ろうとしているあなたにアドバイスをしている場合もあります。
- アドバイザーなのか
- ドリームキラーなのか
しっかり見極めて、アドバイザーからの懸案点はしっかりと考えて納得してもらいましょう。
- 孤独になれ
- 友だちはムダ
- 彼氏・旦那はいらない
応援してくれる人は大切にしましょう。
③失敗や周りの目を気にしすぎること
何か始めようとするときに
- 失敗することが恥ずかしすぎる
- 人からどう見えているか気になりすぎる
その気持ち、すごくわかります。でも、乗り越えなければいけません。
1発で”ノーミス全クリ”なんて無理!
普通の人は何度も失敗を繰り返しながら前に進んでいくもの。
失敗は失敗ではありません。『うまくいかない方法』を見つけたのです。
失敗しても、一歩でも前に進めたのならば、それは成功です。
失敗や周りの目を気にしすぎて『行動できないこと』の方が失敗
そもそも、周りも他人のことなんて注視してません。何かあっても忘れます。
ドリームキラーの関係整理さえできていれば、あなたの周りには『失敗しても応援してくれたり励ましてくれる人』ばかり。
周りの目を気にしすぎて『一歩踏み出せない』ということがないように意識しましょう。
④行動しないための言い訳探し
失敗の対極、成功するために必要なことを『ひとつだけ』挙げるとすれば、それは行動すること。
- 時間がない
- お金がない
- 才能がない
- 今さら遅い
こんなことを言っていたら何もできません。
やらない理由を探すのは簡単
こういうことを言う人は仮にその問題を解決しても、新たに『行動しない理由』を見つけ生み出します。
『行動すること』に比べて『行動しない理由を探す』のは簡単で、いくらでも見つけられます。
行動しないのは一番楽チンです。でも、1mmも成長しません。
『行動しない理由』を考えるのではなく『どうやったらうまくいくか』を考えましょう
『うまくできるかどうか』は最重要ではありません。大事なのは『うまくいくまで行動し続けること』です。
小さな失敗は恐れず、学び行動し続けることが大切
ここまでのまとめです。
- 経営スキル
- 集客スキル
- コミュニケーションスキル
- 自己分析・自己管理スキル
- ネイルスキル
- 大きな初期費用、固定費
- ドリームキラー
- 失敗や周りの目を気にしすぎること
- 行動しないための言い訳探し
背伸びした初期費用を投下せず、効果の見合わない(わからない)固定費を削れば、致命的な失敗をするリスクは減らせます。
新たに学んだことや改善案は恐れず試してみましょう。
失敗を恐れて『行動できないこと』が一番の失敗です。
小さな失敗は恐れず、常に前に向けた一歩を踏み出せるよう学び続けることが、人それぞれの最終的な成功への道しるべになります。