ネイルサロン経営における重要指標のひとつが「LTV」。
- 新規集客をどれだけ頑張っても
- 価格設定やメニューをどれだけ工夫しても
LTVを高めなければ、それは非効率かつ不健全な努力と言わざるを得ません。
- もっと予約を埋めたい
- 集客できているのに利益が増えない
- サロン集客の基礎を押さえたい
もしもあなたがどれかに当てはまるのであれば、この記事がお役に立てるかもしれません。
少しでも参考になれば幸いです。
LTVとは
LTVとはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略。日本語では顧客生涯価値と訳されます。
一人、あるいは一社の顧客が、特定の企業やブランドと取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの。
出典:https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/ltv/
ネイルサロンにおけるLTVは『1人のお客様がトータルでどれだけの利益をもたらしてくれるか』ということ。
平均単価 × 来店回数
LTVがなぜ、どう大事なのかは後述します。
新規集客よりも大事なこと
LTVは大事だよ、という前提で話を進めます。
よくネイルサロン集客の話になると「インスタが良い」「アメブロは・・」「ホームページは・・」となりがち。
たしかに集客ツール、テクニックの部分も非常に大事な部分には違いありません。
ただし、新規集客よりもっともっと大事なのは「リピート率の向上」。
顧客の固定化について考える前に新規集客に走るのは、穴の開いたバケツに水を貯めるのと一緒(ありきたりの例えで少し恥ずかしい)。
一般的にリピートにかかるコストは新規集客の5分の1で済むと言われています。
それどころか、ネイルサロン業界においては常連になってくだされば、コストをかけなくても常に予約が埋まる状態になっていきます。
リピート率が高いサロンであれば、新規集客のコスパも良くなります。
適切なタイミングで施策を打つだけで良くなります。
LTVを上げる2つの要素
もう一度LTVの計算式を見てみましょう。
平均単価 × 来店回数
LTVは平均単価、来店回数を上げることで高くすることができます。
平均単価を上げるにはメニュー・価格設定、物販などの要素を工夫していくことが重要。
単純な値上げはお客様も良い印象は受けないので、しっかりと戦略を設計する必要があります。
来店回数は文字通り、1人のお客様に何回も来店していただく=リピートしていただくことが肝。
先に伝えた通り、リピート率は新規集客よりも大切です。
「どうすればお客様にリピートしてもらえるか?」ということを常に考えなければいけません。
ネイルサロンという業界で考えた場合「平均単価を上げること」より「リピート率を上げること」の方が容易。
自宅サロンであれば、90%超えも全然ありえない話ではありません。実際、妻がやっている自宅サロンはリピート率80%程度です。
リピート率を上げるには
お客様にリピートしていただくにはどうすれば良いのでしょうか?
残念ながら「○○をやるとリピートしてもらえるよ」というような単純なものではなく、唯一解はありません。
あえて挙げるとすれば「また来たい」と思わせること。
「ネイルが上手ければお客様は自然とまた来てくれる」というわけではありません。
- ネイルの技術が高い
- デザインセンスが嗜好に合う
- 居心地が良い
- 話が合う・面白い
- 交通アクセスが良い
- 他に行きたいサロンがない
リピート要因となりうる要素はいくらでもあり、いろいろな要素をトータルで直感的に判断します。
そのお客様によって刺さる部分が違うので一様ではありません。
ただ、リピートされる多くのお客様に共通して言えることがあります。
- 大切に扱われていると思ってもらう
- あなたの事を好きになってもらう
自宅サロンであれば、この傾向は特に強いです。
他のお客様も他のネイリストもいない、お客様と1対1の状況、あなたの『人たらし力』が試されます。
「お客様に媚びろ」というつもりは一切ありません。そんな簡単なことではありません。
「あなたという人間を好きになってもらう」という、シンプルながら難しいお題です。
「また来たい」に大きく貢献するのは会話力
やっぱり会話力は大事。個人サロンにおける固定客の一定数は「あなたと話しに来ている」といっても過言ではありません。
そのためには「お客様のことを理解する」ということがとても重要。
趣味・嗜好はもちろんですが、たわいもない会話もカルテにメモりましょう。
- 月末にTDRに行く
- 漫画にハマっている
- 友だちの結婚式でスピーチする
- 先日に食べたグリーンカレーがおいしかった
などなど。
次回来店時に「ディズニーどうでした?」「こないだ言ってたグリーンカレー食べて来ましたよ」なんて話したら「ちゃんと覚えてくれてる」ってプチ感動してもらえます。
あなたが美容院などでされて嬉しいことは、あなたのネイルサロンのお客様にも大概あてはまります。
【閑話休題】本当にあった話
妻のサロンの話です。ザックリいきます。
アニメ化で一大ブームとなった「鬼滅の刃」。
いろんなお客様との会話の中で、ちょいちょい話題に出るそうな。
私が見たかったこともあって、Amazon Primeでアニメを全話見る(ハマってしまって2周も)。
熱は冷めやらず、単行本まで全巻買う。
お客様にそのことを話す。かなり食いつく。
お客様も「アニメ見たいなぁ。いいなぁ。」とのことで、施術中AmazonPrimeで鬼滅の刃を流す。
→オフの間はうるさくて流せないので、1回の施術で2話くらいずつ進む。
会話はないけど満足感爆上がり。3週間後をかなり楽しみに帰られる。
アニメは既に見たお客様で「単行本いいなぁ」とのこと。
→単行本を読むためにフットもセットに次回予約。
3週間後をかなり楽しみに帰られる。
鬼滅の刃はまだ見てないとのこと。
「約束のネバーランド」「炎々ノ消防隊」が好き、とのこと。 ←今ここ
→Primeでアニメを見る予定。
「見たよ」って言えば、多分めっちゃ喜んでくれるし話も弾む
ちなみに妻はとくべつ漫画好きではありません。お客様はいずれも30~40代。
「話題の作品はチェックしましょう!」て話ではありません。
何が言いたいかというと、自宅サロンという特性上「ネイルをする/される」だけの間柄はもったいないよね、という話。
お客様の興味のフックを引くことで、いろんな化学反応が起こる可能性があります。
LTVの最大化が健全経営につながる
自宅ネイルサロンがLTVの最大化を図るうえで一番有効なのは「リピート率の向上」。
サロン全体のLTVが高くなると経営も健全になります。ここでいう健全というのは売り上げの話だけではありません。
新規集客に走る重要性が下がるので、精神的にも業務効率も健全になります。
「今月1人しか新規入らなかった・・・」
と嘆く必要がなくなります。むしろ
「固定客1人増えた。うぇーい」
となります。
集客コストが下げられるので利益も増えます。なんて素敵。
「リピート率」はネイルサロン経営の生命線
サロンでネイリストとして務めていたり、セルフネイルから独立したり、と経営やマーケティングに関して学んでいないというサロンオーナーが大半。
多くの方がサロンの集客に悩んでいます。
理想は集客する必要がない状態。これは顧客の固定化によってもたらされます。
「新規集客頑張るぜ」ではなく「リピート率上げるぜ」に切り替えないとジリ貧です。
リピート率を意識することで、集客も「どの媒体で集客したら固定化につながるか」という視点で見られるようになります。
「リピート率」はネイルサロン経営の生命線です。常に意識、改善に努めましょう。